SRモータの最適化設計には磁石設計と動的性能の2つの側面があります。
CST EM STUDIO(CST EMS)では2Dまたは3D静磁界ソルバーを使用してSRモータのシミュレーションを行うことができます。2つのソルバーの励磁条件、材質、境界条件は共通ですが、2Dソルバーは3Dモデルの断面を計算する点が異なります。パラメータ設定とポスト処理の定義はソルバーの種類に関係無く行うことができます。たとえば、まず2Dソルバー、次に3Dシミュレーションを行うことにより端効果の補正係数を取ることができます。
CST EMSのモデリング機能により作成した6/4 SRモータモデルを図1に示します。固定子と回転子の両方に非線形材質を定義しています。対称形状であるため、3対のコイルのうち1対を励磁したシミュレーションを行えば十分です。
アライメントさせていないロータ位置について、2Dソルバーで計算した磁束線とベクトル電位を重畳した画像を図2に示します。
本事例のようなリラクタンス機は、非対称なブリッジコンバータなどで制御されます。パラメトリックデータを収めたルックアップテーブルから数値を読み取り、計算を行うことにより動的シミュレーションを実行できます。トルク、鎖交磁束、コエネルギーといった数値は、角変位や電流などのパラメータの関数として自動的にエクスポートすることができます。
パラメータスイープにより計算した鎖交磁束を、電流と角変位の相関として図3に示します。アライメント位置を0°とします。
同様に計算したトルクを、電流と角変位の相関として図4に示します。アライメント位置を0°とします。
CST EMSでは上記のようなパラメータスイープ以外にもモータの磁気性能の最適化が可能です。たとえば固定子や回転子の突極幅を最適化することにより、磁束密度のピーク値を低減し機械剛性を増大させます。あるいは突極をテ―パリングしたモデルを作成し、テーパリングレベルの最適化してトルクの高調波を低減することができます。
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