事例のフィルタモデルは入出力用の同軸カプラーと誘電体で構成されています。 2つの誘電体ディスクが結合共振器として働くことで、構造全体が高品質の帯域通過フィルタとして機能します。このフィルタモデルを使用して、CST MW STUDIOで固有モード計算とモード解析を行いました。時間領域ソルバーにARフィルタ機能を適用し、CST MW STUDIOをフィルタ設計に理想的なツールとすることができます。
フィルタモデル構造を図1に示します。 紫色は誘電体ディスク(誘電率38)を、青色は金属部分を、薄灰色は共振器内の空気を表します。
モード解析で計算された通過帯域のSパラメータを図2に示します。 計算時間:2分40秒(PC: 400MHz PentiumII)
第1モード(磁界)の 3D ベクトルプロット: 4.079 GHz | |
第2モード(磁界)の 3D ベクトルプロット: 4.079 GHz | |
第3モード(磁界)の 3D ベクトルプロット: 4.577 GHz このモードは上図のスペクトルにおける第1のピークの周波数に対応します。 S パラメータは外部カプリングと共に計算されているのに対し、モード計算は外部とのカプリングを考慮せずに行われていることに注意してください。このため周波数は 20MHzほどシフトしています。 |
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第4モード(磁界)の 3D ベクトルプロット: 4.604GHz このモードは上図のスペクトルにおける第2のピークの周波数に対応します。 ここでも外部カプリングが原因で、約20 MHzの周波数シフトが見られます。 |
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