オプティカルリングカプラーのシミュレーション

CST MW STUDIO(CST MWS)は光学分野にも可能な電磁界解析ツールです。オプティカルリングカプラーのように対波長比の大きい問題も難なく解くことができます。タテヨコ20λ×25λの基板上にあるオプティカルリングカプラーの解析例をご紹介します。CST MWSの使用する時間領域解析法FITでは、このような大型問題も一般的なPCで計算可能です。この例では512MB RAM PCで計算を行いました。

図 1:ウェイブガイドポートを定義したカプラー構造
図 1:ウェイブガイドポートを定義したカプラー構造

カプラーの構造モデルを図1に示します。導波路の端にウェイブガイドポートを定義しています。リングと給電線路は誘電定数9を指定し、周波数範囲170 THz ? 250 THzでシミュレーションを行いました。

図2:モード分布:210 THz(左)と250 THz
図2:モード分布:210 THz(左)と250 THz

CST MWSの2Dポートモードソルバーは、モデルに生じる可能性のあるすべてのモードを正確に計算します。210 THzと250 THzにおける基本モードの電界を図2に示します。広帯域時間領域シミュレーションでは、周波数依存性のあるモード分布の変化をFull De-embedding機能により考慮することができます。

図3:ポート1励起によるSパラメータ
図3:ポート1励起によるSパラメータ

時間領域ソルバーの計算結果に高速フーリエ変換を適用することにより広帯域Sパラメータが得られます。その結果を図3に示します

図4:電界: 211.6 THz
図4:電界: 211.6 THz

シミュレーションの結果から電界の周波数依存性が観測できます(図4と図5)。対波長比の大きい問題の特長として、電界プロットで波形の数が目視できます。211.6 THzではポート3と4が、250 THzではポート1と2が絶縁しています。時間領域(トランジェント)ソルバーは、定義したすべての周波数モニターの結果を1回のシミュレーションで求めることができます。この問題でもそのようにしてカプラーの周波数依存性が求められました。

図5:電界:250 THz
図5:電界:250 THz
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