RSim放射線解析ソフトウェア
RSimは、使いやすいGUIを備えた放射線モンテカルロシミュレーションソフトウェアです。
放射線の影響予測や遮蔽効果などに関するシミュレーションを簡単かつインタラクティブに行うことができます。
計算には世界中で幅広く利用されている放射線輸送ソフトウェアパッケージGeant4を使用しています。
概要
放射線利用や放射線環境下での作業は被ばくによる健康リスクがあり、安全を確保するため放射線防護が必要です。また、放射線に敏感な電子機器を放射線環境下で使用する場合にもトラブルなく動作させるための対策が求められます。この対策のために放射線の影響を効率よく予測し、効果的な遮蔽の設計を行うにはシミュレーションが有効です。
RSimは直感的で使いやすいインターフェイスを備えており、C++やGeant4入力コマンドが不要でGeant4に慣れていなくても有用な結果を迅速に得ることができます。そのため、シミュレーションにかかる時間を短縮でき、より効率的な遮蔽設計が可能です。
特長
- 直感的でインタラクティブなGUIで設定や実行、結果表示が可能
- 他のソフトウェアパッケージのインストールは不要
- CAD フォーマットとCSG(Constructive Solid Geometry:空間領域構成法)をサポート
- 700を超える大規模な材質データベース
- GPS(General Particle Source)仕様の放射線源を完全に実装
- ジオメトリや放射線源、シミュレーション結果を可視化
- Linux、MacOS、およびWindowsで動作
機能
ジオメトリ
- CSGにおける基本立体のブール演算で複数の複雑な構造を作成
- STEPやGDML、H5M、STLファイルをサポート
- インポートしたCADファイルの形状修復
- STLやGDML、H5M、Tetgens形式への形状エクスポート
材質
放射線源
- 様々な粒子種が指定でき、カスタマイズ可能な3種類の線源(点、表面、立体) (図1)
- 視覚的な線源設定でデバッグが簡単
- 多様なエネルギースペクトル設定
- Geometric Biasing
物理量の記録(スコアリング/タリー)
- Geant4における複数の記録タイプ(スコアラー/タリー)を定義
- 粒子源エネルギースペクトルタリー
シミュレーションの実行と出力
- 直観的で柔軟なユーザーインターフェースRSimComposerよりGeant4を実行
- Geant4の標準出力をログに表示
- csvファイル形式で結果を取得
- ヒストグラムの表示
- シミュレーション結果の3次元的な可視化
設定画面
計算結果表示画面
アプリケーション
- 核医学
- 放射性廃棄物管理
- 人工衛星
- 非破壊検査装置
- 原子力
- 検出器設計
- 高エネルギー物理学
- 放射線治療装置
- 加速器
- 宇宙探査ミッション
- X線源
- 核融合
- 電子・イオンビーム応用装置
- 原子核物理学
シミュレーション例
宇宙飛行士の放射線曝露
パラボラアンテナのエネルギー付与
動作環境
- ハードディスク空き容量
- Windows:約2.0GB以上、Linux:約2.7GB以上。
シミュレーションを実行するのに十分な追加スペースがあること - ディスプレイ
- 1280x800ピクセルまたはXVGAの解像度以上
- OS
- ・64-bit Windows8 and Windows10 ・64-bit Linux (glibc 2.17以降)
・Mac OS X(Mojave、Catalina、Big Sur)