GPT

General Particle Tracer (GPT)は5次のルンゲクッタ法を用いてマクロ粒子の相対論的運動方程式を時間領域で解く、加速器・ビームライン設計用シミュレーションツールです。電磁場中の荷電粒子運動を、空間電荷を考慮して3次元で解析します。

すべての内蔵ビームラインコンポーネントおよび他のソフトウェアより得られた2D/3D field-mapの位置と方向が自由に設定でき、さらに特有のデバイスに対する計算への拡張も簡単な、使い勝手がよく柔軟性を持ったツールで、世界中の加速器やビームラインの設計に広く使用されています。

特 長

  • 各種ビームラインコンポーネント(内蔵、外部ツール、ユーザー定義)
  • 標準的な関数やユーザー定義変数
  • パラメータスキャン
  • アダプティブステップサイズ制御
  • 様々な3次元または2次元空間電荷効果モデル
  • カスタムエレメントの作成
  • Thomas-BMTの式を使用したスピンの計算
  • FELエレメント/Wakefieldエレメント
  • CSR(コヒーレント シンクロトロン放射)モデル
  • マルチプラットフォーム

文書化と開発

GPTはブラックボックスなシミュレーションパッケージではありません。すべての内部計算とすべての3次元電磁場構成は完全に文書化されています。また、すべてのビルトイン要素のソースコードが利用でき、カスタムビームラインコンポーネントの開発も容易です。

グラフィカルユーザーインターフェースGPTwin(Windows版のみ)

グラフィカルユーザーインターフェースGPTwin
グラフィカルユーザーインターフェースGPTwin

Windows版のGPTにはグラフィカルユーザーインターフェースGPTwinが付属されています。GPTwinを使用して設定ファイルを編集し、バッチファイルによるGPTの実行やプリ・ポスト処理タスクの自動化ができます。散布図やラインプロット、ヒストグラム、色密度プロットの形式でシミュレーション結果表示できます。GPTで使用される階層バイナリGDFフォーマットは、数GBのファイルのサイズのデータを効率的に取り扱うことができます。すべての結果表示は印刷やWindows (拡張) メタファイルへのエクスポート、クリップボードへのコピーなどが可能です。

Linux版とMacOS X版について

GPTwinに相当するインターフェースはありません。これらのプラットフォームでは、コマンドラインインターフェースのみが利用可能です。GPTおよびGDFA出力をASCIIまたはSDDSに変換し、GNUplotやSDDStoolkitなどを使用することをお勧めします。 または、Pulsar Physics社のコミュニティページ(https://pulsar.nl/gpt/community.html)にあるバイナリ出力をMatlabおよびHDF形式に変換するスクリプトをご利用ください。

計算例

ソレノイドを通過する電子バンチの軌道
ソレノイドを通過する電子バンチの軌道
CSRを考慮して計算したシケインを通過した電子バンチのエネルギー分布
CSRを考慮して計算したシケインを通過した電子バンチのエネルギー分布

GPT-BEM (Boundary Element Method)

通常の有限要素コードでは到達できない精度で3次元の静電場と静磁場を計算するパッケージです。この比類のない精度は、次世代の電子顕微鏡および関連アプリケーションの設計に必要です。これは非常に専門的な分野であるため、通常のGPTとは別の製品となっています。

  • 階層境界要素法ソルバー
  • 何百万もの表面三角形のサポート
  • 相対精度 >10-6を達成
  • 静電場と静磁場解析
  • 5次までの収差解析
  • 7次までの多極出力

Pulsar Physics ホームページ:  http://www.pulsar.nl/